バルタン物語

火を灯し、
人を熱くする。

2014年の創業から、コロナ禍、全焼、復活、そして次の10年へ。 大畑直矢が書く、株式会社バルタンの物語。

Written by 大畑直矢 — 株式会社バルタン代表取締役

01

火を灯した日

2014年。

今みたいにエキニシに人が集まっていたわけじゃない。

「広島駅の裏側」

そんな言われ方をすることも多かった。

正直、お金もなかった。

人もいなかった。

経営の知識なんて、もっとなかった。

あったのは、

「自分の店をやりたい」
という気持ちだけだったと思う。

物件を見て、

ここでやると決めた。

不安はあった。

失敗するかもしれない。

借金だけ残るかもしれない。

でも、それ以上に、

「やらなかった後悔の方が大きい」

そう思った。

だから店を出した。

バルタンの始まりは、

立派な経営計画でも、

大きな資本でもない。

小さな店と、少しの勇気から始まった。

—
02

最大の失敗

飲食店経営は、

成功より失敗の方が多い。

出店。

採用。

人間関係。

資金繰り。

今振り返ると、

うまくいかなかったことの方が圧倒的に多い。

思ったように人が育たないこともあった。

信じた人と離れることもあった。

お金がなくて眠れない夜もあった。

経営者として一番苦しかったのは、
売上が悪いことよりも、
自分の未熟さで誰かを傷つけたり、
期待に応えられなかった時だった気がする。

でも失敗は消えない。

だからこそ財産になる。

あの時の失敗がなければ、

今の判断はできなかった。

遠回りだったかもしれない。

それでも必要な時間だったと思う。

—
03

コロナと大火災

2020年。

街が止まった。

コロナだった。

飲食店にとって、

経験したことのない時間だった。

先が見えない。

いつ終わるのかも分からない。

そんな中で起きたのが、

2021年11月11日。

エキニシ大火災だった。

バルタン本店が、全焼した。

見慣れた景色が変わった。

街も変わった。

会社も変わった。

正直、
何度も心が折れそうになった。

それでも、

守るものだけは決めていた。

店を守る。

仲間を守る。

街との繋がりを守る。

削るものは削った。

我慢もした。

でも守るべきものだけは手放さなかった。

振り返ると、あの時間が会社を強くしたと思う。

—
04

変化の始まり

創業してから長い間、

自分自身が現場の中心だった。

毎日店に立ち、

毎日判断していた。

でも店舗が増えた。

社員も増えた。

気付いた。

このままでは
会社が大きくならない。

人に任せる。

仕組みを作る。

言葉にする。

それが必要だった。

評価制度。

店長制度。

インセンティブ制度。

情報共有。

採用。

全部、後回しにしてきたことだった。

でも、

強い会社は偶然できない。

強い組織には理由がある。

そう思うようになった。

今のバルタンは、現場の経営から、組織の経営へ変わろうとしている途中にいる。

—
05

これから

目標は店舗数じゃない。

売上だけでもない。

広島駅周辺に根を張り、

人が育ち、

挑戦できる会社を作ること。

火ノ告。

白黒。

そしてその先の新しい店。

全部目的ではなく手段だと思っている。

目指しているのは、
広島で一番強い居酒屋会社。

それは店舗数の話ではない。

利益だけの話でもない。

お客様に選ばれ続けること。

社員が誇りを持てること。

地域に必要とされること。

その積み重ねだと思う。

まだ途中。

むしろこれから。

次の10年も、火を灯し続ける。

それがバルタンの物語です。

実話小説 連載中

エキニシバルタン物語、
noteで全話公開中。

第1話 【実話小説】エキニシバルタン物語 第1話「お前、まだサラリーマンしよん?」 → 第2話 【実話小説】エキニシバルタン物語 第2話「金曜日だけのアルバイト」 → 第3話 【実話小説】エキニシバルタン物語 第3話「まだ"エキニシ"って呼ばれてなかった頃」 →

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